Bass解体修理

 国産の古い総単板のベースです。(メーカー不詳)
約40年前に買った中古だそうです。50〜60年位前の楽器かも知れません。ラベルはありませんでした。表、裏板とも手彫りです。

持ち主がご自分で修理したようでエポキシでガッチリ接着していて、大変な状態です。
 最初は表、裏板片方を空けて少しずつ補修するつもりでしたが各部が剥がれていて、ずれた状態で接着されていたので 全部バラバラにしました。
 この楽器はニカワが使われているのは指板とネックの付け根だけで後は意図的なのか、剥がれ易い接着剤 (不明)を使っているようです。硬い接着剤ですが指でこするとボロボロ落ちてきます。
 こんな大修理は初めてですが、勉強を兼ねてやる事にしました。
誤って消去してしまった写真もあり、全体像が無いのが残念です。



表板を外した状態

スクレーパーを差し込んで剥がします。

エポキシ系接着剤でベットリ接着してある。まずはこれの除去作業。

裏板の割れは5mm位開いていた。                  何と竹ヒゴを打っていました。

裏板の接着

表板の割れ補修・・・木片を割れの両側に接着してクランプで締めます。



エポキシがすごい

バラバラ                            表板割れを補修後、面出し

裏板はメイプルと思われる。硬くて重い!

表板裏側の欠損部分の補修                エンドブロックに側板下部を接着



サドルは黒檀で作り直し

表板サドル取り付け部分の修正             表板欠けの補修

ひたすらエポキシを除去                         裏板を接着中

側板の補強材を接着中                  側板のコーナーを接着中



                                    ネックに亀裂が入っていた。指板側にまで達している。

裏板の接着中

白い角材は側板の位置補正用

リネンパッチはニカワの収縮作用により割れの隙間を引き寄せる特徴があります

C部コーナー                            エンドブロック

位置決めのダボを切断                表板の大きな欠けを補修

ネックの取り付けには苦労しました。木片を付けて角度を補正

ネック取り付け                     魂柱立て・・・・上がバス用、下がセロ用

駒足のマーキング                長年の錆と汚れのマシンヘッド

こんなに光る!

糸巻きは鉄芯に木製の筒がかぶせてあります。            サドルの接着

駒足は大雑把にナイフで削ってからサンドペーパーで仕上げます。

ステンレスワイヤー                     魂柱の位置測定

魂柱には確認用の線をいれています。


接着は殆どニカワですが、後で剥がす必要の無い場所はタイトボンドを使用しています。
延べ16日間、70時間位の作業時間でした。
大変でしたが、このような機会を与えてくれたA氏に心より感謝申し上げます。

2009/06/25 


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