ニカワ(膠)の使い方 

私が現在持っているニカワです。

 三千本

 鹿膠

 粉ニカワ(藤倉応用科学)

 ニッパ等で小さく切って使用しますが、このままでは溶け難いので、電動フードカッター、ミル等で粉砕します。一貫目(3.75kg)が
3000本になることから、こう呼ばれているらしい。
最近はホームセンターで購入できます。

 現在は鹿膠も三千本と同じ牛から作られているらしいです。透明度が高い割には接着力が強い。

 妻屋膠研究所製
 ザラメ状で使いやすい。
純度が高いようだが接着力は強力。
 沢山あるので欲しい方にお分けします。100g送料込み ¥500
 藤倉応用科学製
 

 兎ニカワ

 播州板ニカワ

 
 ホルペイン工業(画材メーカー)製
ヨーロッパ産のウサギの皮から採ったニカワだそうです。
IMGP1315.jpg
 寺脇産業製。小分けしていないが、弦楽器欧州屋で購入出来ます。

IMGP1316.jpg
 

 ニカワ湯煎器?

 ガラス瓶

 
 ホームセンターで¥980のコーヒーサーバーをばらしました。(別にばらさなくても使える) あと水温計が必要です。
60〜65℃をキープします。70℃以上になると接着力が落ちてきます。
 錠剤とか入っているビンが使いやすい。
ニカワに水を入れて、ニカワが充分水を吸ってから湯煎する。


 ニカワに対する水の量は1:1〜1:2くらいでしょうか?私は適当にやっています。水分を充分に含ませてから湯煎します。蓋をあけて湯煎していると、水分が蒸発して段々濃くなってきますので都度水(湯)を足して調整します。
 ニカワ液の濃さは・・ドロドロではなくトロトロです。
使い終わったニカワ液は冷蔵庫で保管2、3日は使えます。
日数が経つと接着力が落ちてきます。
常温ではすぐ腐敗します。
木片等で接着練習してみると良いでしょう。

割れの補修

 剥れの補修

 
 割れは放置して置くと、段差が出来たり開いてきたりして手に負えなくなってきます。いずれはプロの方に裏からパッチを当ててもらうとしても、応急処置としての効果はあると思います。
補修箇所をドライヤー等で暖めて、薄めのニカワ液を細筆で流します。流した後しばらくドライヤーの温風を当てると浸み込み易いです。最後に濡れた布でニカワをふき取ります。
 剥れは割れより簡単に補修出来ます。
クランプを準備して下さい。木工用のクランプでは締付力が強すぎて不適当です。
スプールクランプを使います。簡単に自作出来ます。表板の剥れは薄めのニカワで接着します。
ニカワに限らずどんな接着剤でも、接着面がぴったり隙間のない状態にして置くことが大事です。隙間がある状態では接着力が半減します。

筆・・・・補修がメインなので水彩用の細筆と点付けを使っています。毛先は固い方が使い易い。 f字孔からの作業は針金の先に筆を付けて使用。

補修時には弦を緩めます。楽器にテンションがかかっていない状態が望ましいと思います。

スプールクランプについて 

 Tite Bond

なぜニカワなのか?

 楽器を製作するのであれば、多種多様のクランプとか治具が必要ですが、補修に使うのであれば、スプールクランプが一番活躍します。長い全ネジを使えばかなりの巾でも締め付け出来るし、表板のカーブに合わせて曲げたりして使う事も出来ます。  Wood Glue・強力です。15分位でクランプを外す事が出来ます。木工ボンドと違い切削性が良いので、ペーパーがけ可能です。
 Liquid Hide Glue(液体ニカワ)・・湯煎すると柔らかくなります。
 ニカワの長所として、加熱したり水分を与えると柔らかくなるという特性があります。一度接着した所は剥がす事が出来る訳です。
それと木との相性が良い事も上げられます。 

2009/06/26加筆中!

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